高齢化が急速する現代の日本。

今や超高齢化社会と言われますが、人というのは年齢に伴って歯を失うリスクが増えていくものです。しかし、実際の歯科医院への受診率は70~74歳をピークに、それ以上の年齢層からは急激に下がっていきます。

これには様々な原因が考えられますが、特に高齢者の入院患者の医療には、もっぱら生活習慣病である心疾患や脳血管障害・糖尿病などへの治療が中心であり、入歯や歯周病・虫歯の治療などの歯科治療は後回しになりがちだったのです。

しかし要介護状態となったり、認知症になっても、美味しく食事ができる喜びは忘れたくないものです。医療制度上の問題から、高齢者がこれまで療養的に利用されていた病院への入院が制約され、在宅や有料老人ホーム・グループホームといった高齢者向けの施設で療養される事が年々増えてきており、つまり訪問歯科診療による歯科治療の充実が今求められているのではないでしょうか。通院が困難な方に多い訴えは「食べられなくて困っている」というもの。

歯を壊してしまったり、抜けてしまったり、或いは入歯が痛いなどの原因からきています。訪問歯科診療では、通常困難な方の訴えをくみ取り、虫歯や歯周病などの治療・入歯の製作や修理・口腔ケアなどに対応しています。

他にも、誤嚥性肺炎の予防や食べる愉しみの回復など、口腔機能のリハビリテーションも行います。治療の方法は利用者の体力などに寄り添い無理のないように進めていきます。

費用については、医療保険や介護保険が適用となります。

                   

                    

訪問歯科診療の重要性

大きな病気・心身の障害があるために、歯科医院に通院ができないという方を対象として行われているのが訪問歯科診療です。

今や訪問先でもきちんと患者さんの処置内容等が分かるように出先でもレセコンが確認できるクラウド型の歯科レセコンを導入している医院も少なくありません。

突発的な症状の変化などで緊急的な処置を行う医科の往診に対して、訪問歯科診療というのは歯科医師が患者さんの自宅や介護施設を定期的に訪問して、治療計画を立て、診療、治療方針の決定、薬の処方などをする事を言います。

介護保険制度の導入や医療制度上の問題から高齢者がこれまで療養的に利用していた病院への入院が制約される一方、自宅や有料老人ホーム・グループホームなどといった高齢者向けの施設で療養される人が年々増えてきています。本来、病院で受けられた医療サービスを自宅や療養施設で提供するのが在宅医療で、今後はその重要性がより一層高まっていくと考えられます。

国民健康保険診療協議会では口腔ケアを「要介護者に対して、接触、会話、呼吸機能の維持増進を目的に、口腔疾患予防、誤嚥性肺炎予防および口腔ケアリハビリテーションを施す事により健康な長寿を支援するケアである」と定義しています。

しかしより厳密に言うと、口腔ケアの内容的区別の側面から口腔清掃を中心とするケアを「器質的口腔ケア」口腔機能訓練を中心とするケアを「機能的口腔ケア」または歯科医師、歯科衛生士などの専門職が行う広義の口腔ケアを「専門的口腔ケア」として使い分ける事もあります。