歯科医師というのは、障害を持つ方に対しても歯科医療の在り方について真剣に取り組まなければなりません。

心身障碍者は、日常生活の中で口の中の健康に不利な条件がいくつもあります。虫歯になりやすい・口が臭い・唾液の流出量が多いなど、これらはいずれも心身の障害そのものが原因なのではなく、長期間放置されてしまったがために二次的に発生したものだと言えます。

障害を持つ方にとっては、虫歯や歯周病などの早期発見・早期治療こそが、健常者以上に大切な事なのだと思うのです。

どのような障害を持つ方であろうとも、適切な歯科治療を受けてお口の健康を保っていく事が必要である、この考え方は健常者とまったく変わりません。しかしながら、重篤な内科的疾患や加齢による身体能力の衰えによって介護が必要となり、十分な口腔ケアや歯科治療を受ける事が出来ないという人もいるのが実情です。

そういった方の為に訪問歯科診療が存在します。また、年齢が若くとも、身体や知的・精神的障害の為に、自分で歯磨きをする事が困難な人もいます。同じ障害を持つ人でも、その症状や障害の程度によって個人差があります。

また、複数の障害を重複して持つ人も中にはいます。障害の種類・程度によっては、自分自身で歯磨きや通院も困難であったり、障碍者歯科を標榜している歯科医院でないと専門的な対応が難しい場合もあるのです。

つまりは、「病院に行きたいけど行けない」「どこに行けばいいのか分からない」という方がいるというのが現状です。患者さん一人ひとりに寄り添った上で、これらの問題を打破する必要があります。

                

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