お口の中には、どうして虫歯菌や歯周病菌がいるのだろうかなどと不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、皆さんの口内は湿度が高く温度もほぼ一定でありますので、実は細菌が大変繁殖しやすい環境であるのです。

この細菌が繁殖しやすい環境の中で、皆さんのお口の中を良好な状態に保ってくれているのが「唾液」の成分になります。唾液には口内環境を衛生的に保つ自浄作用がありますが、ドライマウスなどの症状で「唾液」がうまく促されなかったり、入れ歯などご利用で噛み合わせが悪く、咀嚼などがうまく行われておりませんと、唾液の分泌が低下してしまうことがあるそうです。

皆さんは日々、歯ブラシやデンタルフロスなどを活用して、虫歯や歯周病を防ぐためのデンタルケアを行っていらっしゃるとは思われますが、万が一毎食後の歯磨きを忘れてしまっても、お口の中がある程度良好に保たれておりますのは、唾液の抗酸化作用や洗浄作用などの働きが皆さんのお口の環境を守ってくれているのです。

歯磨きの磨き残しなどでできるプラークは、入れ歯にもこびりつき、入れ歯につくプラークは「デンチャープラーク」などとも呼ばれ、入れ歯でない自分の歯に付くプラークよりも口内トラブルを起こす菌を多く含んでいるなどと考えられているようです。

介護の現場で入れ歯をご利用になられる高齢者たちの口腔ケアが大変重要であるなどと言われておりますのは、入れ歯などをご利用になられる高齢者たちの口内は、必然的に汚れがたまりやすい傾向にあるからなのです。